メニュー

Lorcaserinという未知の薬

[2019.02.15]

LANCET  VOLUME 392, ISSUE 10161, P2269-2279, NOVEMBER 24, 2018

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(18)32328-6/fulltext?dgcid=raven_jbs_etoc_email

 

今日は昨年にLANCETで読んで気になっていた論文です。

Lorcaserinという海外の一部ではすでに処方されてきている薬です。

日本ではもちろんまだ使えません。

要約すると

1.肥満で動脈硬化の有る患者1万2000例が対象。

2.選択的セロトニン2C受容体作動薬lorcaserinもしくはプラセボを投与し3.3年観察し糖代謝がどうなるか調べた

結果はかなり簡略化しますと

1.lorcaserinは前糖尿病患者の糖尿病発症リスクを19%減少させた。

2.Lorcaserinは界型糖尿病の血糖値が正常化する傾向があった

3.糖尿病患者はHbA1c値が低下した(P<0.0001)。

選択的セロトニン2C受容体作動薬lorcaserinは食欲中枢にはたらきかけて食欲を抑制しようとする薬です。

人間の食欲は視床下部という脳にある部位が支配してます。高脂肪食はプロスタグランジンE2を介して視床下部内の摂食促進性の神経細胞を活性化させ、肥満を誘発・促進するという仮説があります(Diabetes 61 : 3084-3093, 2012)

ですので日本での食の欧米化・高脂肪食化→脳視床下部での食欲のアクセル加速→更なる高脂肪食の摂取→体重増加→糖尿病などの疾患の発症(特に日本人はアメリカ人などに比べると遺伝的に糖尿病を発症しやすい、、、)

今回のLorcaserinは食欲抑制→体重減少にて恐らく糖代謝を改善するだろうとは考えてましたが、その研究結果が質の高い医学雑誌に掲載されたことになります。

ただ日本では高齢化が進んでおり、高齢化での筋力の低下:サルコペニアが国家の寝たきりの原因として問題になりつつあります。

糖尿病だからなんでも食欲を抑えてしまうと、それによって筋力の低下状態をきたす危険性もあるわけで高齢化の進む日本での処方開始時にはレジスタンス運動を併用するなどかなり注意が必要かもしれませんね。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME