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JAMA2020;324:68-78

[2020.08.02]

こんにちは 副院長の丸山康典です。8月に入りましたので今月も最近出た医学記事を解説しますね。

JAMA2020;324:68-78の記事を題材にしてます。

https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2767861

75歳以上の後期高齢者に対するコレステロール治療薬の意義についてです。
【対象患者】
1.2002-2012年の10年間に受診した75歳以上(平均年齢81歳±4.4歳、男性97% 女性3%)
2.スタチン使用歴なし
3.心筋梗塞や脳梗塞の既往無し

【方法】
対象患者さんを2016年まで追跡調査 
スタチン使用群57178人 スタチン非使用群326981人

【年間死亡率を比較】⇒有意差あり
スタチン 使用群 7.87%
スタチン非使用群 9.82%
【心血管死を比較】⇒有意差あり
スタチン 使用群 2.26%
スタチン非使用群 2.57%

★心血管死:心筋梗塞や脳梗塞による死亡

(結論)
下記患者群の新規スタチン開始で全死亡リスク25%、心臓血管死20%それぞれ低下する

(感想) 
これまでスタチンという薬は約35年前の1987年から世界中で長らく使用されてきました。心血管リスクの既往があったり、心血管リスクの高い症例に対するスタチンの医学的なメリットは十分に証明されてきました。

最近の流れとしては長期に服用している患者さんで特に有害性の報告も出ていない事ことからよりリスクの低い患者さんに投与することで医学的な有益性が生じるかに研究がシフトしてきてます。

この研究で心血管リスクの高くない方でのスタチンの有効性はまたエビデンスが強くなりましたが、本例は退役軍人で対象患者の97%が男性であることを考えると、男性に限れば高齢であっても脂質異常症を有する人へのスタチンの処方は有益と考えられますね。

ただ 2018年にはBMJ 2018;362:k3359にて2型糖尿病のない高齢者では心血管疾患や全死亡のリスクに低下はみられず、その予防効果は75歳以上84歳以下の2型糖尿病患者に限られるとの研究結果も出ておりhttps://www.bmj.com/content/362/bmj.k3359、患者さんごとにリスクなどを適切に評価しながら、薬を飲むか飲まないかを判断しつつ、長期的にはより質の高いRCTなどによって有効性の評価がなされるべきでしょうか。

2020年代の間にはより質の高いRCTなどによってこの問題に対する結論が出たら良いなと思います。

今日も読んでいただきありがとうございました。

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