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GLP1受容体作動薬の美容クリニックでの使用に関するニュース

[2020.06.22]

こんにちは。副院長の丸山康典です。今日の話題はGLP1受容体作動薬の美容クリニックでの使用に関するニュースです。

https://www.asahi.com/articles/ASN6K6QPFN6KULBJ00L.html

日本医師会副会長の今村聡氏は6月17日の記者会見で、糖尿病治療薬のGLP-1受容体作動薬をやせ薬として個人輸入したり、美容クリニックが自由診療で使用したりする事例が見られるとして、「健康な方が医薬品を使用することのリスク、適正使用の観点からこのような行為を禁止するべきだと考えている。国民の健康を守るべき医師が治療の目的を外れた使い方をすることは医の倫理にも反する」と述べて警鐘を鳴らしました。

<そもそもGLP1受容体作動薬とは?>

GLP1受容体作動薬は糖尿病の治療薬として世界中で使用されている「自己注射薬」です。

え?糖尿病の自己注射薬ってインスリンって事じゃないと思った方も少数いらっしゃるかもしれません。

実は現在糖尿病の自己注射薬には

①インスリン製剤

②非インスリン製剤であるGLP1受容体作動薬  

の2種類があります。ではこのGLP1受容体作動薬がなぜ、美容クリニックでの自由診療に使用されたかを今日は説明していきますね。

1.体重減少効果がある
GLP1受容体作動薬には脳に働いて食欲が減らす作用を持っておりその作用が自然な体重減少を期待できるという医学的な側面があります。もちろん糖尿病の自己注射薬ですので血糖値を下げる効果は当然のごとく十分あるのですが、体重減少効果を美容クリニックが目を付けた形となります。

2.命に関わる副作用が少ない
例えば他の糖尿病薬では低血糖や乳酸アシドーシスを含めた重篤な副作用をきたすこともあります。たとえば糖尿病は心不全の危険因子ですが、心不全の際にはビグアナイド系やチアゾリジン系の薬剤の使用は禁忌になります。反面GLP1受容体作動薬も下痢などの副作用は認める反面、連用で消失するため、導入の際に十分に気を付けれれば長期に安全に使用していくことも可能となります。

その安全性も美容クリニックが目を付けた形となります。

おそらく上記のような理由で美容クリニックにてGLP1受容体作動薬の使用がなされたのでは無いかと思います。

 

<当クリニックでのGLP1受容体作動薬に対する考え方>

当クリニックの方針としても保険診療のルールに則り、非糖尿病患者さんへのGLP1受容体作動薬の投与は行っておりません。

しかしGLP1受容体作動薬の食欲抑制や腎機能、心機能の保護効果はエビデンスも構築されており担当医が医学的メリットが充分に見込めると判断した糖尿病患者さんには躊躇うことなく導入と維持療法を行っております。

GLP1受容体作動薬の体重減少効果を利用して注射療法を離脱できた症例もこれまでにもあったため、皆様に正しい知識を持ってもらえればと思い記事を書きました。

今日も長くなってしまいましたが、読んでいただいてありがとうございました。

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