メニュー

Absence of evidence in not evidence of absence ②

[2019.03.28]

例えば、ある治療の効能を調べたいとします。
統計学では一般的に「仮説検定」を行って薬を与えたグループとそうでないグループを比較し、治療の指標となる何らかのパラメータに統計的有意差の有無を確認します。
仮説検定は、2つの事象の差異が偶然生じたものかどうかを統計的に結論付けます。
 もし、統計的有意差がある(治療を与えた群のパラメータの方が有意に大きい)なら「薬には効能がある」という結論を導けるが、有意差がなかった場合にどうなるかということですね。
 「統計的有意差がある=薬効がある」なら「統計的有意差がない=薬効がない」と考えてしまいそうだが、今回の声明ではこのように有意差がない場合、「“差がない”あるいは“関係がない”といった結論をしてはいけない」としています。
有意差を出せない事の原因として対象の症例数の少なさや観察期間が短すぎるという問題もあるからです。p値自体の価値を否定するものではなく、p < 0.05(医学論文ではP<0.05で初めて有意差ありとすることが多いです) or notという2カテゴリーに分類してしまうことが問題であると指摘しています。
統計的有意差がない=薬効がないということはどうなるかといえば、国から予算の出ている研究であれば打ち切られる可能性もあるわけです。そのため統計的有意差がない=薬効がないは医学の発展を阻害している可能性が十二分にありますということです。
これは確かに普段論文を読んでいる中で思考の落とし穴になっているかもしれませんね。

直近で読んだ2018年の医学ジャーナルで気になっていたのでがビタミンDは癌死亡の抑制作用が無いとする報告がありました。しかし観察期間が6年と非常に短く、ビタミンDのが生物学的に癌を抑制するかどうかを判定するにはもっと時間が必要なのでは???と疑問を感じておりました。(下にリンクを貼っておきます)

https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMoa1809944

長くなってしまいました。今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME