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<高血圧の薬はちょっとずついろいろ飲んだ方がいい?>

[2021.09.29]

 

こんにちは、新型コロナワクチンもひと段落が付いてきましたので、久しぶりの医学誌のレビューをしたいと思います。LANCET 2021/08/28の記事です。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34469767/

今回のテーマは高血圧です。

高血圧の薬物療法について現在の一般的なガイドラインは1剤ずつ追加していくというのがスタンダードになっています。

あえて4分の1の用量にして4種類混ぜた形で治療するのと、標準的な1剤で開始したときで比較してみようという研究です。

・対象
平均年齢59歳の 男女591人

A群 300人
イルベサルタン37.5㎎ アムロジピン1.25㎎ インダパミド0.625㎎ ビソプロロール2.5㎎がまとまった薬を飲んでもらう

B群 291人
イルベサルタン150㎎を内服してもらう


・評価方法
12週間後に収縮期の血圧を評価しました。

・結果
A群(4分の1の用量にして4種類混ぜた用量)の方がB群(1剤のみ)よりも6.9mmHg血圧が低くなった。気になる有害事象ですがA群もB群も有意差が無かったということです。

他に副次評価項目としては血圧コントロールが得られている患者の割合ですが、
A群(4分の1の用量にして4種類混ぜた用量)の方が76% B群(1剤のみ)が58%でA群(4分の1の用量にして4種類混ぜた用量)の方が血圧コントロールが上手くいった人の割合は多かったみたいでした。


ここからはこの結果をもとにした私的な補足ですが、


高血圧の薬は確かに1種類から初めることが多いですが、この方法だと薬価の高いARBの量を減らして、薬価の安いβブロッカーやサイアザイド利尿剤やカルシウム拮抗剤を組み合わせることでより高い効果が得られます。この手の研究が続けば長期的には医療費の抑制に貢献するかもしれません。

 反面、降圧薬は万人にどの薬剤を使っても良い訳では無く、薬を飲む人の基礎疾患や既往歴などを見ながら使えるカード(薬)を慎重に選んでいく要素があります。

現在我々の行っている高血圧の治療がオーダーメイドと例えるなら、この新しい手法(4分の1の用量にして4種類混ぜる)はレディメイド(ready-made)という表現になるかと思います。

どちらが良いのか現時点では決めにくいですが、国民医療費の増大傾向であることからもこういったより安価で強い効果が得られる治療も視野に入れた議論が今後必要になっていくのかもしれません。

長い記事になってしましましたが読んでいただいて有難うございました。

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