メニュー

週1回の持効型インスリンについての記事

[2020.11.12]

こんにちは。光明池駅前で糖尿病専門医をしている副院長の丸山康典です。

 

NEJMに週1回の持効型インスリンの記事が出ておりました。

第Ⅱ相試験です。

これは1週間で7日間効果のあるインスリン(仮に24時間×7日=168時間、以下168時間インスリンとします)と24時間の効果のあるグラルギンという既存製剤を比較してます.この従来型のインスリン(以下24時間インスリン)と呼びます。

それぞれ正確には168時間インスリンはinsulin icodec 従来型のインスリンはインスリングラルギンといいます。

対象患者さんは
18-75才でインスリンを使用していない2型糖尿病患者さんです。男性139人女性108人、年齢平均59.6歳BMIが31.3 HbA1c 8.0% でした


それぞれ
A:168時間インスリンを週1回投与する群
B:24時間インスリンを毎日投与する群
に 分けております。

24時間インスリンは毎日10単位から開始して、168時間インスリンは毎週70単位で開始しました。
開始後の単位調整は自己血糖測定で空腹時血糖値が70から108mg/dLになるように投与量を調整しています。

試験結果ですが、26週間(半年)後のHbA1cが7.0%未満になった人は168時間インスリンでは72%, 24時間インスリンでは68%でした。

有害事象としての低血糖に両群間で差がありは血糖値54-70の低血糖については168時間インスリンの方が有意に多いという結果でした。

 

この試験の結果の感想について書きますね。

 

基礎インスリンはこれまで1日に1回でしたが、週に1回の製剤が日本で使えるようになれば、おそらくこの週に1回のインスリンが主流になりそうかなと思いました。しかしながら今回168時間インスリンの方が低血糖が多かったのは著者らは空腹時低血糖の目標値が70-108というのが低すぎだったからではという事でした。
個人的には開始用量が10単位/日でこれを1週間分まとめていきなり開始するのは勇気がいるようにもおもわれました。

ただ被験者のBMIが平均31という肥満者を対象としているのでそれくらいの容量設定にせざるを得ないのかなと思われます。

もし現実的にこれが利用できるならもっと少ない用量から開始するか、従来の24時間インスリンで必要単位量を見定めてからの導入が良いのかもしれません。

今後第3相の臨床試験が予定されていますが続報が気になるところですね。

今日も読んでいただいて有難うございました。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME