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経口インスリンへの挑戦2

[2019.03.05]

昨日はインスリンの飲み薬での投与の研究での画期的なデバイスの開発されそうだという記事の続きです。

Science(2019; 363: 571)

http://science.sciencemag.org/content/363/6427/571/tab-pdf

要約しますと

1.口から1cm程度のインスリンデバイスを飲む

2.胃の中で胃壁に針が刺さってインスリンが投与される

3.血糖が胃壁に投与されたインスリンを介して安全に低下する。

4.3年以内に基礎インスリンとして臨床試験を開始を予定している

 

胃液で分解されるインスリンを、胃内壁から吸収させ血流に乗せる。

 

そのデバイスは圧縮されたばねが収納されており、底面は砂糖のディスクがシャッターの役割を果たし、胃内の水分で砂糖が溶けると、ばねの力でmillipostが飛び出してインスリンの針が胃壁内に刺さり、血中から吸収される仕組みのようです。

なお胃壁には痛覚受容体がないので、患者は針が刺さる痛みを感じません。

 

 患者がカプセルを経口摂取すると、10分ほどで外側のカプセルが溶け胃壁に着地。数分以内に針が飛び出し、約1時間でインスリン全量が放出されるように設定されています。

その後、胃壁を離れて消化管を移動し、やがて安全に体外へ排出されるようです。

 

インスリン経口投与は、皮下投与に匹敵する血漿インスリン濃度および血糖の降下作用を示し内視鏡検査で組織障害や異常がないこと、組織学的検討では、胃外側の筋層に傷害を来すことなく、粘膜を経由してのインスリンを搬送することも確認されました。

 

ただ十分な空腹時の投与しかできないことから、食直前投与となる速効型や超速効型には不向きと判断し基礎インスリンとして寝る前に使用する方向性として考えていくようです

 

すごいですね、、、どんどん技術が進歩していきますね。しかしながら一方で糖尿病によって傷害された臓器(眼、腎臓、脳、心臓)は回復するわけでは無いので、今インスリンなどの注射療法が必要な方はきっちり注射療法を行って血糖の管理を行い自身の内臓を大事にしつつそのデバイスが使えるようになれば乗り換えるというのが私たちに出来る現実的な方向性でしょうか。

 

一度糖尿病によって進行した合併症は元に戻すことは出来ません。このように画期的なデバイスの進歩が突然発表されることがありますので、日々できることを「こつこつ」やっていく、これが今は大切なのかもしれませんね。

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