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春先に増える病気 その2

[2019.03.01]

今日は春先に増える自殺に関してです。

特に自殺企図は春先に多く,これは新年度がはじまって環境や学校の変化が原因の1つかと思われます。

しかし「年度」という制度をとっていない欧米などの諸外国ではどうなのでしょうか?

 

欧米ではご存知のとおり9月が新学期ですが,アメリカ合衆国のアラスカ州でも,自殺者数のピークは4〜8月にあると報告されています(Public Health, 137:35-43, 2016)

https://ac.els-cdn.com/S0033350616000676/1-s2.0-S0033350616000676-main.pdf?_tid=ec5f5844-9832-46bb-a305-d44cdffddc86&acdnat=1551063321_d1af08129cf05ea548e129286e33bc0e

 

 

では,季節が逆の南半球ではどうかというと,ブラジルでは11月頃がピークになるようで,これは北半球の春先にあたります(Crisis. 35:5-9, 2014).

https://econtent.hogrefe.com/doi/abs/10.1027/0227-5910/a000222

 

このように,自殺者が春先に多いのは世界的にもみられていて,日本特有の新年度による環境の変化だけでは説明がつきません.

 

そのメカニズムについては,春先には日照時間が増えてくるので,メラトニンが減少し,これが自殺のスイッチを入れるという推測がなされてきました.最近の研究で,アメリカの自殺した495例の軍人の2年以内に採取した血液を調べたところ,ビタミンDの低下と自殺率には相関があることが報告されており,日光は自殺と関係があるのかもしれず,日光浴で生成されるビタミンDが自殺を予防する可能性があるのかもしれませんね

(Plos One, 201:e51543, 2013)。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3537724/pdf/pone.0051543.pdf

 

ストレスの多い社会ですので生きているのが嫌になるときもあるかもしれませんが、実際に自殺された方のなかには後悔している方もいるかもしれません。

以前に労働と糖尿病に関して記事を書きました。

https://maruyamanaika.com/column/%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85%E3%81%A8%E5%8A%B4%E5%83%8D

 

 

多くの人の健康のためにストレスの少ない社会になってほしいものです。

そして自殺をめぐる研究をきっかけに予防策が進み,少しでも悲しい出来事が減ればいいのにと思っています。

 

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