大腸がん検診の有効性
[2019.02.22]大腸がんと便潜血検査についてです。
大腸がんは 早期の段階では自覚症状はほとんどなく、進行すると症状が出ることが多くなります。症状としては、血便、下痢と便秘の繰り返し、便が細い、便が残る感じ、おなかが張る、腹痛、貧血、体重減少などがあります。最も頻度が高い血便、下血は痔(じ)などの良性の病気でもみられるため、そのままにしておくとがんが進行してから見つかることがあります。進行すると腸閉塞(イレウス)となり、便は出なくなり、腹痛、便汁嘔吐などの症状が出ます。
その治療として早期であれば外科手術で根治をねらえる癌であります。病期がⅠ期の場合、1~2年の生存率は100%といわれており、5年後も98.9%の生存率というデータがあります。しかし病期Ⅳ期になると、1年生存率は69.9%、2年生存率は46.4%、3年生存率は32.5%、4年生存率は23.9%、5年生存率は19.6%と悪化します。そのため早期発見が出来ればまさに「命拾い」できる癌です。
早期発見に関して便潜血反応検査がスタンダードな検査になります。検査の簡便性ゆえ、特に症状の無い40歳以上の全員に検査することが望ましいとされています。
便潜血検査がきっかけで見つかる大腸がんは早期がんが多くを占め、自覚症状が出てから見つかる大腸がんは進行がんで多くを占めます。そのため便潜血検査を毎年行うことで死亡率が下がるという研究(Cancer Detect Prev 31:3-11,2007)があり、当院でも便潜血検査は積極的に行っております。大腸がんが気になる方は担当医まで遠慮なくお伝えくださいね。