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院長ブログ

原発性アルドステロン症という病気についての解説(2021.01.30更新)

こんにちは、光明池駅の丸山内科クリニックの副院長の丸山康典です。

今日の記事は原発性アルドステロン症という病気についての解説です。
当院では原発性アルドステロン症という病気に対する検査、カプトプリル負荷試験を行っております。

今日は原発性アルドステロン症という病気を説明します。

国民病でもある高血圧ですが、この高血圧の中で原因がはっきりわからないものを本態性高血圧といいます。この原因がはっきりわからない本態性高血圧が高血圧全体の85-90%を占めるのですが、10-15%が特別な原因を有する2次性高血圧といいます。

原発性アルドステロン症は高血圧の中でも以前は稀な病気(1%程度)と考えられていましたが、最近は検査法の進歩に伴い高血圧症全体の5-10%程度を占めるのではないかと言われております。

この原発性アルドステロン症という病気は何が原因で起こるのでしょうか?

 

副腎という両側の腎臓の上に2個存在する臓器がありますが、ここから生命の維持に必要なアルドステロンというホルモンが作られます。

副腎の場所を書きます

 

このアルドステロンは適切な量で維持されることが大切なのですが、必要以上に多く作られてしまうと血圧を上げすぎてしまったり、カリウムというイオンが不足してしまう問題が出てきます。

なぜこの原発性アルドステロン症が注目されており、小生も手間暇をかけて当クリニックで負荷試験を行うようになったのでしょうか?

それはこの原発性アルドステロン症では一般的な高血圧症に比べて脳卒中4.2倍、心筋梗塞6.5倍 心房細動12倍、合併しやすくなるためためです。

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また普通の高血圧に使われる降圧剤が効きにくいという特徴もあります。

症状としては普通の高血圧と同様に無症状のことが多いことが、この病気の診断を難しくしております。昔の教科書では血液のカリウムが低くなりのが典型とされておりましたが、最近の研究では血液のカリウムが低くなるのは20%程度と言われております。ですので、その存在を疑わない限りなぜか薬の効きにくく、よく脳卒中や心房細動を起こす高血圧の人として治療されている事も多々あります。


「小括」
この病気の的確な診断が必要な理由は3個あります。

1.治療可能なのに高頻度(治療については後述)
2.治癒抵抗性になりやすい
3.脳や心臓の病気をおこしやすい

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さて、原発性アルドステロン症はどうして見逃されやすいのでしょうか?

原発性アルドステロン症を疑った時に行われる検査はアルドステロン、とそのアルドステロンを調整しているレニンという物質の測定を行います。
この検査は早朝空腹時に安静30分後の状態で測定する必要があります。
正直病院側にとってはその間ベッドを30分間使用するため、他の用途で使えないため、煩雑ではあります。

ただ、院長も副院長の私も内分泌専門医という立場で、この病気の早期診断が患者さんの健康に寄与できると考え、スクリーニングと負荷試験を施行しております。
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確定診断までの流れについて

確定診断のためにはスクリーニング検査と確定診断の検査の2ステップを踏む必要があります。イメージとしては大学入試の共通テストと大学別本試験をイメージしてもらえればと思います。

スクリーニング検査≒共通テスト
確定診断の負荷試験≒大学別本試験

のイメージです。

①(スクリーニング)
まずは安静30分後の血液検査を行います。この検査でレニンとアルドステロンの比をとります。このレニンとアルドステロンの比が200以上の時にスクリーニング陽性と判断し負荷試験をすすめます


②(負荷試験;確定診断のために検査)
この負荷試験については当院ではカプトプリル負荷試験を行っております。
(生理食塩水負荷試験や立位フロセミド負荷試験は入院ベッドの無い当院では行っておりません。)

この負荷試験(確定診断のために検査)で陽性であれば原発性アルドステロン症と診断します。

 

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原発性アルドステロン症の治療はどういう治療法があるのでしょうか?

この病気に対する治療として

1.手術 (片側の副腎を摘出)
2.内服

この2種類の治療があります。

手術を希望される方
・手術ができる方の条件として副腎がホルモンを作っているのが片側である(両側の副腎で両側からホルモンを作っている方もいますが、両側を手術でとるのは出来ません)

・手術の前に左右のどちらの副腎から過剰なホルモンを作っているの調べるための副腎静脈サンプリングという検査が行われます。
一般的にこの治療の対して手術まで希望される方は合計3回の入院が必要になります
1.負荷試験
2.副腎静脈サンプリング
3.副腎摘出術
ホルモンの結果は1週間ほどかかりますので、原則検査が終わるごとに退院となります。

 副腎静脈サンプリング

 


内服を希望される方へ
薬物療法としてはエプレレノン、スピロノラクトンが使用されます。
これらの薬はアルドステロン拮抗薬と言われ、原発性アルドステロン症の第一選択としてます。
これはアルドステロンそのものが、心臓や血管の組織を傷つけるといわれており、その作用をブロックすることで手術と同様の治療効果が見込めることが示唆されております。なお、通常の降圧治療のみでは血圧は仮に正常化してもアルドステロンによる臓器障害は回避出来ないと考えられております。


今日は原発性アルドステロン症という病気の解説を記載させていただきました。長くなってしましましたが読んでいただいてありがとうございました。

この記事の参考文献
1.病気が見える 内分泌代謝
2.内分泌代謝疾患診療ガイド
3.原発性アルドステロン症 コンセンサスステートメント
4.日本内分泌学会 公式HP

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